誰かの為のラブソング
「ユウもあの制服着てるんだよね…ユウ、カッコイイから似合うかも…」
ぽつりと呟いた何気ない言葉にリズは思わず我に返った。
「…?!」
ユウは面喰らったような表情をしている。
「…な…何?…… 」
恐る恐るとユウの次の反応を伺う。
「…いや…
なんか…始めてかも…」
溜息混じりの声はユウの口元を思い切り緩めていた。
「な…何が?」
「かっこいいなんて、始めて褒めてくれた…」
「え?!
そんなことないと思うけどっ…
いつも言ってるよっ」
「…リズがいつも言ってくれるのは、いい歌だね、だろ? 」
「そっ…そう?」
言われてみればそうなのかな?
リズは記憶の糸を辿りながら、その場を何とかごまかした。
「…スッゲー嬉しい…」
そう言いながら視線を外すユウは何だか本気で照れてるようで。