誰かの為のラブソング


「…そして、核心をつくと
リズは線を引いてしまうんだよね。
一本、こうやって」

そう言うと、ユウは目の前の空間に線を一本引いてみせた。

それはまるで二人の間を引き裂くかのように。

「…………」


「俺…
自分の事を歌にしてるんだ、

全て」


「…えっ…」


ユウの突然の思わぬ告白にリズは次に返す言葉が見つからず、ただ彼をじっと見つめるしかなかった。


「…俺は、
そうすることでなんとか今も
もってる…かな。

じゃないと、多分 壊れてしまってるかも」

そう言いながらユウは情けない表情で笑ってみせた。

今の自分への諦めに似た感情… そんな感じがした。


「必要だと思う。

気持ちのはけ口ってやつ。

今のリズに必要だと思う。

俺が受け止めるから。

何でも話して欲しいんだ」


ユウはいつもそうだよね…


胸の内に隠してあるものを誰よりも早く見つけてくれる。


そして、手を差し延べてくれるんだ。


あたしは…


ユウに頼って…いいの…?


「…… … 」


ふっとリズの脳裏に見慣れた顔が過ぎった。


いつも傍にあった見慣れた笑顔…


理…久 …


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