誰かの為のラブソング
「でさ!RozeeL(ロゼル)、
新曲ばっかでマジにいいライブだったんだけどっっ!
号泣もんだったんだけどぉ!
何で来ないかなぁっ!?」
久しぶりに聞いたRozeeL(ロゼル)の話題は、愛香のテンションをこの上なく上げていた。
愛香は相変わらずRozeeL(ロゼル)のライブに足げなく通っているようだ。
「…ごめんね、愛ちゃん〜
また行けたら行くから〜」
「リズの言う、またはアテになんないー。
いつ行くか言ってみやがれっ!」
「だから、また…落ち着いたら…」
リズは重い溜息をつく。
「あ〜もう、いい。
あんたはユウの方がいいんだもんねぇ〜別に誘いはしないさー」
「そんなことないってばっ〜」
「あ!」
学校の渡り廊下でふと見慣れた顔を見つけた愛香は思わず声を上げた。
「いたいた!但馬ー!
上ちゃんが捜してたよっ」
声の先には理久とその友達が談笑しながら廊下を歩いている。愛香は駆け寄った。
「ミーティングあるのに、来てないって怒ってたよ?
あんた、試合近いのに何やってんの?」
押し付けがましい愛香の言い回しに理久は軽く溜息混じりにこう続けた。
「……別に何も…」
「はぁ??
次期主将のあんたが参加しなきゃ意味ないでしょー?」
「…レギュラー外されてる奴が、いつ次期主将になれるんだよ?
そんなことより、お前ウザすぎな〜そのテンション何とかしろよ」
理久は怪訝そうな表情な浮かべると、徐に視線をリズの方へとやった。