誰かの為のラブソング
「…ちょっと理久が
そんなに怒る意味が
わかんないよ。
何で怒ってるの? 」
「怒ってなんかねぇよ。とにかく、
言う通りにしろよ。」
「……理由もわかんないのに、はい そうですかって、普通ならないよ。」
リズは困惑していた。
「…ったく。
素直に言うこと聞いとけばいいんだよ。」
「何よ、
偉そうに言っちゃっー」
リズの言葉を遮るように理久はこう言い放った。
「お前が
後悔するから」
二人の間をびゅううと
風が吹き抜ける。
「……………。」
どことなく違和感を
覚える理久の表情は、
思わずリズの言葉を
失わせた。