誰かの為のラブソング
愛香の話はしばらく止まりそうになかった。
リズは、愛香の熱弁を軽く聞き流しながら、街行く人達の流れをぼんやりと眺めた。
「………………。」
『 お前が
後悔するから』
繰り返し頭の中に浮かび上がっては消える理久の言葉。
リズを不安にさせるほどそれは違和感を覚えた。
「でね~私達、余りにもライブマナー悪すぎる奴らが多いから、ライブハウスの支配人に嘆願書でも出そうかって計画してるんだ。
あんな奴らに毎回ライブ中断させられて、RozeeL(ロゼル)の評判落ちる一方じゃん?
出入り禁止にしてもらうとか~」
って、聞いてる?
と、愛香は俯き加減なリズを覗き込んだ。
「えっ?
あ~ごめんっ!
私 バイトあるし、今回もパス~」
リズは手を合わせて小さく謝った。