誰かの為のラブソング


祖母が老人ホームに入るようになったのは1年前のことだった。

一緒に生活することが困難となり、リズの父親が決断を下した。


当時、家を新築したばかりの川嶋家には、きちんと祖母の部屋も考慮してバリアフリーの部屋をわざわざ設計したぐらいだった。




リズは昔からおばあちゃん子だった。

いつも優しい眼差しで見つめてくれるおばあちゃんが大好きだった。


そして、川嶋莉子という人間を理解してくれた。

いつも何かと
理解しようと

理由を見つけてくれた。




唯一、本当の自分を
見ていてくれた

たった一人の理解者だった。



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