誰かの為のラブソング
リズは、ニコニコと微笑んでいる。
「あ、そだ!
前にリズが言ってた
ヤボ用、今から行こっか!」
「えっ?」
相当、分が悪いせいか、愛香は上手いこと話を切り換えた。
「上ちゃんに頼まれた不登校の生徒に会いに行くってやつ~。
今日ちょうどバイトない日でしょー?
善は急げ~! 」
愛香はリズの腕を掴むと思いっきり引っ張った。
「えぇ~!」
「どうせいつかはやらなきゃいけないんだから、別に今日でいいじゃん。
あたしに着いて来て欲しいから相談したんじゃないの?」
「…そうだけど…。
…でも…。」
あの時の理久が瞬時に脳裏によぎった。
「あたし,実は興味あるんだよねぇ~。
2年になって一回もまだ登校してないし~
どんな奴なんだろ~」
愛香は人見知りをしない方だから、軽く考えているようだが、リズにとってはかなり気が重いことでもある。
それに…。
理久が行くなと意味深なことを言っていたのも気がかり過ぎる。
「大丈夫!
私が着いてるんだからさ~!
ちょっと話するだけで、帰ればいいじゃん。
それで、上ちゃんに 無理でしたーって言っとけば、いいじゃん別に」