誰かの為のラブソング
「……しっかし、
何だか……
有り得なくない?」
愛香は眼前に広がる光景を目の当たりにして開口一番、こう言った。
漫画の擬音を使い、例に例えるとドーンッ!といった感じだろうか、リズと愛香の目の前には豪邸がそびえ立っていた。
「……ここで住所
合ってるよね?
どうみても…」
携帯のナビゲーションを使い、ここまでようやくたどり着いたが、どうみても想像を絶する光景だった。
「…うん。
間違いないみたい。」
「どんだけ金持ちなのよ~。
門もやたらバカでかいしさ。」
リズと愛香の身長の2倍はあるだろう、その門にはセキュリティーシステムが張り巡らされているようだ。
監視カメラのレンズがジーと僅かに音を立て、動いたのがなんとなくわかった。
「やだ。
なんか、ガリ勉君が出てきそうな予感。」
愛香は頭を抱えている。
「愛ちゃん、
期待しすぎだよ…」
「ううん!
会うまでわかんないよっ!
ポチっとな!」
「えっ!!」