誰かの為のラブソング
遅れたらダメだから?
そもそも何でダメなの?
誰が決めたの?
みんなに迷惑かけるから?
別に私1人いなくても
誰も困らないよ。
毎日同じ教室に通って、同じ友達と話して、退屈な授業を聞きながら、学校が終わってからのことだけを考える。
毎日同じことの繰り返し。
そうやって、知らない間に時は流れていく。
リズは何かを欲していた。
今の日常を変えてくれる
何かを……
「……………。」
人が行き交う駅の構内にリズは立ち尽くしていた。
いつまでも止まない人混みの流れを断ち切るかのように、
その空間だけは何故か
時間が止まっているようだった。
「…………?」
構内の通用口の壁にもたれかかるように座り、静かに瞳を閉じている少年がただ、そこにいた。
リズは彼から目を離すことが出来ず、ただ立ち尽くす他なかった。