誰かの為のラブソング

「それを早く言ってよー!!
ヤバいじゃん!
ヤバいって!

監視カメラの映像にばっちり記録されちゃってるじゃん~!
このせいで、留年とかなったらどうすりゃいいのよっ~ 」


「愛ちゃん、
落ち着いて!
大丈夫だって!」


愛香が取り乱す理由として、この学院は幼稚園から大学までエスカレーター式の学校でもあり、入学するのも難しいが卒業するのも難しいという理由があるからだ。


「しかし、ますます
ムカつく。
理事長の息子だから不登校でも許されてるわけじゃん。

普通なら、退学させられてもおかしくないもんね。」


この学院では、はみ出したものは容赦なく切り捨てられているのが実情だ。


「う…ん。
そうだよね。
特別扱いってことだよね。 」


実際、学校に利益が生じる生徒には甘い。

しいて言えば、スポーツ特待生やスーパーコースの生徒がいい例だろうか。


「そんなんだから、
生徒の差別化も生じてるんだよね。」


「おっ!
学級委員らしいセリフじゃん~?
しっかし、 上ちゃんは何を考えてリズに頼んだんだろ?
意味わかんない。」


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