誰かの為のラブソング

「私も
意味わかんないよ。」


いつまで経っても出てくる気配のない豪邸の前で、リズと愛香は愚痴を零し続けた。


「それにね、
その息子ともう一人の不登校の生徒って、本当は学年が一つ上なんだって。」


「えっ?!
じゃあ留年してるってことじゃん!
な~るほどね、
それなら必至こいて、あの手この手使うのも無理ないか~」


愛香は腕を組みながら自分で納得していた。

はみ出し者をバッサリと切り捨てる割には、自分の息子は不登校の上に留年しているとなると、規律だ校則だと学院を仕切っている理事長として立場がないのかもしれない。


「あれ?
てことは…
もう一人の奴も親のコネがあるとか?
もしかして…」


「うん…。
代議士の息子らしいよ。」


「だっ代議士?!

やっぱり、世の中、
権力と金が物言うねぇ~。」


「去年、二人共、スーパーコースのクラスに在籍してらしいんだけど、なんか問題を起こして学校に急に来なくなったんだって。

それから、留年決まって今年、私達のクラスになったとか、上ちゃんが言ってたよ。」


「なんかさ、
スーパーコースの生徒は親が金持ちが多いって噂で聞いたことあるー。
なんか学校に莫大な寄付金出してるとか。

だから、優遇されてるって。

しかし代議士の息子が問題起こすなよって感じ。」


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