誰かの為のラブソング
あまりにも別世界の話のようで、二人は興味津々に話を盛り上がらせていた。
「ねぇ、リズ!
ますます興味が湧かない?
もう出てくる気配ないから次の代議士の息子の家に行こっか!」
リズとしては もうどうでもよかった。
「愛ちゃん、代議士の息子の家、ここからかなり離れてるよ?
もうやめようよ~」
「私が自転車漕ぐから問題ないっしょ?
全くリズは面倒くさがりやなんだからー」
「え~だって~」
リズが悶々としているなか、静かに門が自動的に開き始めた。
「しっ!
誰か出てくるよっ」
愛香は、待ってましたぁと言わんばかりに目を爛々と輝かせている。
リズも愛香に触発されてか、思わず息を呑んだ。