誰かの為のラブソング
偶然と必然と
高校2年生にもなるとこれからの進路とか、将来について真剣に考えるようになるって聞いたことあるけど、
結局は、
周りの大人達が子供を必要以上に煽っているだけのような気がする。
「では、この用紙に記入して、明後日までに皆、提出すること。
期限はちゃんと守るように。」
2年3組の教室は、少し騒がしかった。
担任の上田から、進路相談の用紙が配られたからだ。
リズは無言のまま無造作に机の中に片付けた。
「ねぇ、
リズはど~するの?」
学校のチャイムが鳴り、休憩時間に入った教室は益々、賑やかを増していた。
皆、それぞれ、進路の話題で持ちきりのようだ。
「ん~やっぱりこのまま上に上がるかなぁ…
他を受けるのも大変そうだし。」
「だよね~。
大半みんながそうでしょ~?
何をわざわざ聞いてくるかって感じ。」
愛香は、呆れたような声を上げた。
エスカレーター式の学校とはいえ、リズのように高校から受験して入学した生徒も沢山いる。
そのほとんどが、上の大学にそのまま進学するのが現状だ。