誰かの為のラブソング
その少年の髪の毛は朝陽の光に透けて、キラキラ光っていた。
男のくせに端正で綺麗な顔立ち。
日本人離れしてるかも。
大きな瞳に、長いまつげ。
彼の独特な雰囲気に吸い込まれるようにリズは覗き込んだ。
不必要に落ちてくる髪が邪魔で、何度も耳に髪の毛をかける。
…つけまつげかなぁ?
リズは有り得ないことを考えながら、じっと彼を見つめた。
「………?」
どれぐらいの時が経っただろう。
リズはふとあることに気づいた。
この人…
なんでこんな所に寝てるんだろ…
彼の側には、ギターケースがある。
音楽が好きなんだ。
「……!?」
それは不意に。
彼の透明感溢れるその頬に一筋の涙が静かに伝った。
それは、
悲しいほど
痛みを覚えるものだった…。