誰かの為のラブソング

でも、結局、これも言い訳にすぎないのかもしれない。


本当は、夢がある人達が羨ましくて、平凡な毎日が痛いほど苦しくて、もがいているのかもしれない。

いや、もがくことさえも諦めているのかもしれない。


この今日という日は、今しかないんだから。

都合のよい言い訳を見つけては、かっこよく言葉を羅列しているだけなのかもしれない。



「…でも、あの不登校の2人よりはマシだよね…」


学校にも来ないあの不登校の2人と比べたら、まだマシだと思う。


下を見たら、キリがないのは
わかってるけど、


比べでもしないと


なんか、


やっていけれない…。



「お疲れ様っ
今日もよろしくっ」


バイト先の更衣室で、リズは声を掛けられた。

「よろしくです。」

「お疲れ様で~す!」

次々と更衣室に入って来るバイト先の同僚達とすれ違い様に挨拶を交わした。

「おはよっ!
川嶋さん。」

リズの肩にぽんっと手を置いた彼女はにっこりと微笑んだ。


リズは彼女の笑みで安堵の表情を浮かべた。






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