誰かの為のラブソング
どうしたら愛香や理久や美樹さんみたいになれるのだろうか。
時間が過ぎていくのと
比例するように
みんなとの距離が
遠ざかっていく気がする。
「…もう
わかんないよ…」
ぼんやりと流れる街並みの風景は何一つ顔色を変えようとはしなかった。
「…………。」
何かに漂っているような錯覚を覚えた。
それは、至極、居心地がよくて
心が落ち着いていくような不思議な感覚だった。
街のざわめきに掻き消されることなく鳴り響く音色。
それは強い意志を持っているかのように力強く流れていた。