誰かの為のラブソング
「それでねっ!!
ライブスタッフに聞いたのよっ~そうしたら、あそこで歌ってる奴だって、ユキを指差すのっ~マジ鳥肌立ってさー! 」
学校の教室で、愛香は一人興奮していた。
「もうど~しよぉ~!!
どうしたらいいと思う~?
ねぇ~リズったらぁ」
「…………。」
他のクラスメートからの冷たい視線。
愛香はしばらく興奮が収まりそうにない様子だった。
「…愛ちゃん…
別にどうもしなくてもいいと思う…」
リズは机に肩肘をついては溜め息を漏らした。
「出たっ!
いつもの冷めた言葉っ!
リズっあんたねぇ
事の重大さをわかって
な~い!!
RozeeL(ロゼル)のユキだよっ!?」
「~愛ちゃん
声が大きいよー」
「うるっさいっわっ!
RozeeL(ロゼル)のユキだよ?!
あのっ!
あたしが一生ついていくと決めたユキがこんなに近くにいたって、凄くない?!」
「…う、うん…
多分…」
「これを偶然とは呼べないよっ!
もう、運命よねっ!」
愛香はリズに同意を求めようとするが、リズは理解出来そうになかった。
「ね、どうする?
とりあえず、またユキに会いにいこっか。
それで、一応説得して~」
愛香は一人で勝手に話を進めていた。