誰かの為のラブソング


「それでねっ!!
ライブスタッフに聞いたのよっ~そうしたら、あそこで歌ってる奴だって、ユキを指差すのっ~マジ鳥肌立ってさー! 」

学校の教室で、愛香は一人興奮していた。

「もうど~しよぉ~!!
どうしたらいいと思う~?
ねぇ~リズったらぁ」


「…………。」


他のクラスメートからの冷たい視線。

愛香はしばらく興奮が収まりそうにない様子だった。

「…愛ちゃん…
別にどうもしなくてもいいと思う…」


リズは机に肩肘をついては溜め息を漏らした。


「出たっ!
いつもの冷めた言葉っ!
リズっあんたねぇ
事の重大さをわかって
な~い!!
RozeeL(ロゼル)のユキだよっ!?」

「~愛ちゃん
声が大きいよー」

「うるっさいっわっ!
RozeeL(ロゼル)のユキだよ?!
あのっ!

あたしが一生ついていくと決めたユキがこんなに近くにいたって、凄くない?!」


「…う、うん…
多分…」

「これを偶然とは呼べないよっ!
もう、運命よねっ!」


愛香はリズに同意を求めようとするが、リズは理解出来そうになかった。


「ね、どうする?
とりあえず、またユキに会いにいこっか。
それで、一応説得して~」


愛香は一人で勝手に話を進めていた。


< 74 / 234 >

この作品をシェア

pagetop