誰かの為のラブソング
「愛ちゃん、
その日はあたしバイトの日だよ~」
「また出たっ!
バイト、バイトって
リズの本業は一体何?!
学生なんだから学校が一番大事でしょーが」
「……………。」
上ちゃんに言い訳出来ないやら、学級委員としての自覚の問題やら、愛香は一生懸命リズを説得した。
結局、ユキに会う為の口実が欲しいだけのようだ。
「……わかったよ~
愛ちゃん。
この日、休み貰うね」
今から休みの申請出せばなんとか間に合う。
愛香に根負けしたリズは携帯のスケジュール表を眺めた。
「あっ……。」
その日は週末だった。
あの彼が路上でライブをする日だった。
「何?なんか他に予定あったとか?」