誰かの為のラブソング
音圧とビートが激しく
重なり合う。
ヘッドバンキングをしながら
ベースを弾く。
ドラムはドラミングで
ビートを益々加速させる。
ユキのギターは、疾走感溢れるハードコアさを展開していく。
激しくそれぞれのフレーズを重ね、オーディエンスと向き合っていく。
それに同調した彼らは拳を振り上げ、大合唱する。
リズは圧倒されて、
言葉が出なかった。
とにかく、ドラムと
ギターが凄かった。
重厚感が心臓まで伝わってきて、息をするのも苦しかった。
「リズー!!
大丈夫ー?!」
「うんっ!」
愛香の叫ぶような声をなんとか聞き分けることが出来、リズは少しだけ安心した。