誰かの為のラブソング

あずさはリズの腕を突つき、
今よっ!とタイミングを教えてくれた。


「あっ…あのっ…」


リズは声が上擦って上手く発することが出来なかった。



今井友喜は綺麗な顔立ちをしていた。

純血の日本人ではないような、しかも中性的な雰囲気を持っていた。


「無理だよー
ユキに近づこうとしても~
こいつ、女は腐るほど近寄ってくるけど全く興味ないし~」

メンバーの1人が雑誌に夢中になりながらこう呟いた。


「めんどくせぇ。
だもんな〜」


別のメンバーが続ける。


「ちっ違いますっ!
あたしは、今井君と同じクラスメートです!
頼まれてここに来たんですっ!
今井君に学校に来るよう説得しろって。」



「無駄。
友喜は学校なんか
行かねーよ。」


また、雑誌に夢中になっているメンバーが口を挟んできた。


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