誰かの為のラブソング
「ーーーーっ…。」
「?
川嶋さん?」
ヤメテ…
ソンナメデ
ミナイデ…
「…っ…っ…。」
突然、苦しみ出したリズは胸を押さえた。
不安にさいなわれ、
恐怖感が止めどなく襲ってくる。
「ーッ川嶋さん!!
!?」
息が止まりそうで、
死という現実が
迫ってきそうで、
「っ救急車っ!!
早く救急車呼んでっ!」
悲鳴にも似た叫び声が
こだまする。
「リズっ!?
ーーーっリズっ!!」
愛香の泣き叫ぶ声が聞こえた。
「−−−−−−。」
いつもそうだった。
これが襲ってくる時は
いつも
フラッシュバックする。
遠ざかる意識の中で
リズは昔の記憶に
蝕われていた。