誰かの為のラブソング
「川嶋さん!?」
リズは天を仰ぐように大きく息を吸い込み意識を取り戻した。
「っ…っ……」
眼前には、古びた天井が見えた。
「…違うのっ!
急に呼吸困難になってっ苦しみ出しちゃったのっ
今 救急車 呼んでてっ」
リズの横には愛香がいて、愛香は一生懸命、携帯電話で誰かと話をしていた。
「愛っちゃ…ん…」
「リズっ!!」
愛香は、ソファの上に横になっているリズの傍に駆け寄った。
「ごめん…ね…
もうおさまるから…
大丈夫…だから…」
「リズっ…」
愛香は泣いていた。
「…っ……」
息苦しくて、リズは思わず横を向いた。
あたし…
治ってなかったんだ…
もう…
大丈夫だって
思ってたのに……
遠ざかる意識の中ですぐ傍にいるもう一つの人影を見つけた。
…今井…
友喜…?
リズは静かに瞳を閉じた。