誰かの為のラブソング
「だから!!
何度も言ってただろうがっ!!
なんでだよっ!!」
「だってっ… !」
「だってじゃねぇんだよ!!
何かあった後じゃ遅せぇんだよ!!」
ライブハウスの外で理久は愛香に怒号を上げていた。
「あたしだって、
少ししか話聞いてなくてわからなかったの…
どうしようもなくてっ…」
愛香は理久にすがりつくようにこう言い放った。
「極度の不安が襲ってくると発作が起きるんだよ!
不安が不安を呼んで、呼吸が出来なくなって、今度は死んでしまうんじゃないかって恐怖が襲って、よけいに酷くなって!
だから、あいつにも
言ったんだよ…っ
近づくなって…」
理久の言葉に
愛香は目を見張った。
「……ねぇ…
それって…
どういう意味…なの……?」
愛香は意味深な理久の言葉にしがみついた。
「とにかくリズを
連れて帰るからな。」
理久は吐き捨てるようにこう言うと足早にライブハウスの中へと入っていった。