ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「…諒平さん」



十和子は給湯室に戻ってきた。



「…何?」



十和子の瞳は今にも泣きそうだった。



「兄貴に何か言われたのか?」



「社長は何も言わないです…諒平さん…私は…」



十和子の瞳を見れば次に何を言おうとしているのか理解できた。



俺は十和子の見事なピンク色のグロスに彩られた唇に左手の人差し指を立てた。



「何も言うな…」



「諒平…さん!?」



「俺を好きだなんて言うな…俺はお前を幸せにはできない」







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