ギルディラヴ～社長と誓う偽りの愛～

～諒平side～

「まさかお前が…『黒龍』の腕利きの殺し屋？…江波警部補を撃ったのはお前か？紫桜」


明和の制服姿の紫桜。彼の風貌には気品がある。何処かの御曹司と言っても誰も疑う者はいない。


そんな少年は拳銃を右手に持ち、十和子に銃を突きつける。

こんな16歳の少年が腕利きの殺し屋ーーー・・・


紫桜の全ての人を拒むかのような四方に張り巡らしたら透明の壁が俺には見えた。

コイツは何処か俺に似ている…

人との関わりを組織によって遮断された素性。

でも、紫桜は人の命を奪うのが仕事。人の温もりや優しさを知れば…人を殺せなくなる…


紫桜は俺よりも孤独だ…

「世間一般には知られてない事件で極秘の捜査のはずなのに…諒平さんが知ってるなんて…あんたは何者だ？」




「…いいから…十和子を離せ！！」



「ダメだ…」


紫桜は十和子のこめかみに強く銃口を押し付ける。



彼がもし、『黒龍』の殺し屋なら…躊躇いなく十和子を撃つ。



「…俺は『BP』の一人だ…」



「影で暗躍してる…警察か…ふーん。俺を追ってこの屋敷に潜入したのか？」



「違う…俺は自分の両親を殺した犯人を突き止めたくて…潜入した」