ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
《14》もう一人の龍
警察は包囲網を張ったが、紫桜君を逮捕する事ができなかった。
諒平さん曰く、警察上層部に『黒龍』と繋がっている者がいる。そいつが本土に紫桜を逃がしたと。
白波京平社長の遺体は風宮諒平として告別式を行い、墓へと埋葬された。
いつものようにエスプレッソマシンで作った淹れ立てのエスプレッソを社長に出す。
「どうぞ」
「ありがとう…」
私と副社長以外、社長が入れ替わっている事は誰も知らない。
京平さんが亡くなって一ヵ月が過ぎていた。
私との婚約は解消、会社も退職する話であったが、副社長が私を引き留めた。
紫桜君から真実を知らされた諒平さんの自分に向けられた復讐の刃を止めたかったんだろう。
「クズは何処までもクズだな…」
「えっ?」
「会長だよ…十和子を盾にして、会社での自分の立場を守りたいんだろう…何処までも人を利用して、自分を守る…その根性には呆れるよ」
「でも、貴方一人では会社は立ち行かないですよ…」
「そうだな…俺は経営者としては ひよっ子だから…」
諒平さんは軽く笑い、私のエスプレッソに喉を通した。
こうして、彼の顔を見ていると京平さんを思い出す。
諒平さん曰く、警察上層部に『黒龍』と繋がっている者がいる。そいつが本土に紫桜を逃がしたと。
白波京平社長の遺体は風宮諒平として告別式を行い、墓へと埋葬された。
いつものようにエスプレッソマシンで作った淹れ立てのエスプレッソを社長に出す。
「どうぞ」
「ありがとう…」
私と副社長以外、社長が入れ替わっている事は誰も知らない。
京平さんが亡くなって一ヵ月が過ぎていた。
私との婚約は解消、会社も退職する話であったが、副社長が私を引き留めた。
紫桜君から真実を知らされた諒平さんの自分に向けられた復讐の刃を止めたかったんだろう。
「クズは何処までもクズだな…」
「えっ?」
「会長だよ…十和子を盾にして、会社での自分の立場を守りたいんだろう…何処までも人を利用して、自分を守る…その根性には呆れるよ」
「でも、貴方一人では会社は立ち行かないですよ…」
「そうだな…俺は経営者としては ひよっ子だから…」
諒平さんは軽く笑い、私のエスプレッソに喉を通した。
こうして、彼の顔を見ていると京平さんを思い出す。