ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「私は別に大丈夫よ…龍さん。お父さんにもそう言っておいて」

「ダメですよ…お嬢…俺が邸宅にお嬢を連れて帰らなければ…組長に殺されます」

「大丈夫よ。龍さんはお父さんの一番信頼できる相手だから…」

「お嬢・・・」

「俺が責任を持って、十和子を護る。組長にはそう言っておいてくれ」

「・・・亡くなられた風宮諒平さんなら、お嬢の事を護れると思いますが…貴方では・・・お嬢を護れませんよ」

何も知らない龍さんは彼の言葉を軽く訊き流した。

「・・・では、お嬢帰りますよ」

「!!?」

龍さんは私のエスプレッソを一気に飲み干して、彼のソファ椅子の後ろに立っていた私を右肩に軽々く担ぎ上げる。

「ち、ちょっと!?龍さん…おろしてください!!」

「おろしたら、逃げるでしょ?お嬢…さあっ、組長の元に帰りますよ…」

「・・・」

私は目で彼に助けてくれと訴えたが…無視してエスプレッソをを味わっていた。

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