ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
《15》組長命令
私は龍さんに腕を掴まれ、社屋ビルから強引に連れ出され、車の後部座席に押し込められた。

「お嬢…手荒な真似をしまして申し訳ありません…」

「お父さんの命令でしょ?龍さん」

「はい…」
「いいわよ…」

私の嫌がる事は決してしなかった龍さん。

でも、父の命令には絶対服従。

「本当に申し訳ありません…」

「・・・」
心配性で私を溺愛する父が私の身を案じるのは当然。


私たちを乗せた黒塗りの車は社屋から遠ざかり、仁科組の自宅へと向かう。


「お嬢…」

「何?龍さん」

「・・・お嬢は本気で白波社長に惚れているんですか?」

「・・・それは龍さんでも言えないわ…」


京平さんの死を悼めば、容易に諒平さんを愛してるとは言えない。

でも、彼からのプロポーズは嬉しかった。

彼となら神を欺いてもいい、偽りの愛を堂々と誓える。

私たちは罪深き者。


彼となら地獄に落ちてもいいーーー・・・


それだけ、私の彼に対する愛は深かった。

「お嬢?」

「・・・龍さん・・・私は社長と結婚したい…」

「しかし…お嬢・・・それは…危険ですよ。俺は結婚をお勧め致しません…」

「龍さんが何と言おうと…私は彼と結婚する」

例え、危険を伴っても…


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