ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
「本当にありがとうございました・・・」


「別に礼はいい」


手当を終え、一緒に病院の外に出た。


深い闇の空から、雨がポツポツと降り出す。


私のバックは電車に飛ばされ、無残な姿になっていた。おまけにこの間、最新モデルに変えたスマホは大破して、使用不可能に。


「名前は確か…仁科十和子だっけ?」


「あなたは…風宮諒平(カザミヤリョウヘイ)さん」


「雨、降ってるけど…どうする?俺のマンション近くだけど、泊まっていくか?」


「えっ!?」


「その『えっ!?』はなんだ?期待してんのか??期待してんなら、俺は別にいいけど…」


「はい?」


やっぱり、外見だけじゃなく、中身までチャラかった。
でも、私の命の恩人。
礼は尽くさないと。






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