ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
私は思わず、社長の方を見つめる。


社長は興味津々に私の部屋をキョロキョロ見回していた。
私と風宮さんのやり取りは見ていなかったようで胸を撫で下ろす。



似てると思ったけど、まさか双子の兄弟とは。
いつも使用してる黒のドット柄のマグにコーヒーを淹れて、社長の元に戻った。



3人揃った所で、本題に入る。



「昨日、話した…俺の弟…諒平…」


「はい・・・」


私の隣に座る風宮さんは胡座をかき、寛いだムードでコーヒーを飲んでいた。


私なんてテレ臭くて…真夏の陽の下に居るみたいに、全身に汗が流れた。
マグの取っ手を持つ指もベタベタして、気持ちが悪い。



「今夜の叔父さんの挨拶はどっちが行く?」


「ん、あ…できるコトならお前に頼みたい…」


「面倒臭いコトは全部…俺に押し付けるんだな・・・」


「すまない。諒平」

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