ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
社長が交代して、新しく就任した若社長・白波京平。


秘書室の誰もが彼の花嫁の座を狙い、水面下で激しい争奪戦が繰り広げられていた。


私はそんな争奪戦を蚊帳の外から見学してる傍観者。


秘書室には私よりも若くキレイな子ばかり。


キャリア以外、人には何も秀でたモノはないと自身を卑下していた。私はみずからその争奪戦を放棄をしていた。
それに私の実家は・・・

「よかったぁー」
社長は胸に手を当て撫で下ろす。

「えっ?」




眼鏡の奥の濃紺の瞳が私に熱い眼差しを向けた。


今日の社長は何だか変。


「どこか具合悪いんですか?」


「そんな風に見える?仁科さん」


「はい」

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