悪夢
森本さんは
したり顔で話し出す
「えっとぉ、
とりあえず私の親が
お金持ちなのは
知ってるよね?
私はこくりと
頷く。
「一応…」
森本さんは一瞬
小さく「チッ」と
言って
「まぁいいわ」
と言い話を進めた
「まっ、うちの親が
無駄に金持ちなのよ?
だから、世間では
お父さん?って言うの?
その父親っぽい面した奴に
生まれて初めてで
一生に一回のお願いしたの。
ちゃあんと猫をかぶって…
――――――――――――――
「お父さん、一生に
一度のお願い。
聞いてくれない?」
「な、なんだお前…
珍しいな。」
お父さんは、
コーヒーを飲んで
咳き込んでいる。
ばっかみたい..
「大丈夫?」
「えっ、あぁ大丈夫だ」
ふん。父親なんて
チョロい
「で、なんなんだ?
頼みってのは?」
「お金をね…
貸して欲しいの。
出来るだけたくさん」