しーくれっとらぶ
〓第01章 16歳 春〓

高校生

「来週からは期末テストだからなー、しっかり勉強しとけよ!!」


帰りのSHRで担任の山中先生(通称:山ちん)が来週からのテストについて長々と話し出す。


「まじかよ~…だりぃ…」


山ちんの話の話を聞いて、あたしの前に座っている金髪の男がブツブツと唸り出した。

「彰は馬鹿だもんねー。頑張って脳鍛えなー(笑)」

「うるせぇっ。俺には拓魅がいるからテストなんか楽勝なんだよっ。なぁ?拓魅?」

「はぁ!?またテスト前日にお前のために徹夜なんか御免だからー」


その隣で金髪男を馬鹿にする綺麗な黒髪の女の子と、金髪男が助けを求めた、ダテ眼鏡をかけた茶髪のイケメン男。
この騒がしい3人はみんなあたしの友達で、あたしはというと、その3人の横で目を見開いて山ちんを見つめたまま固まっていた。


「唯ー?生きてる?」

「あーぁ、こいつまたイッちゃってるよ…(笑)」

「まぁ唯の頭は俺以下だからなっ」


彰にそんなムカつく事を言われてあたしは意識を取り戻した。


『はぁ!?彰ほど馬鹿じゃないしっ!』

「んだとぉ!?俺はお前より―」

「あぁもうっ!2人ともうるさいっ!あんたたちお互い人のこと"馬鹿"なんて言えないでしょ!」


いつものように言い合いが始まりそうだったあたしたちに最もな意見を言ったのはあたしの親友である―近藤 亜紀。
頭もよくて、モデルみたいにスラッと背が高い。
亜紀はいつもテストで学年1・2位を争うほどの才女。

そんな亜紀といつも1・2位を争っているのがイケメン、ダテ眼鏡―雛田 拓魅。
しっかりしてて、頼りになる兄貴的な存在。
その甘いマスクで今まで何人の女の子を虜にしたかは不明(笑)。

そして、こんな頭の良い2人とは真逆の"馬鹿"なあたし―沢久佐 唯。と、金髪で一見チャラ男―二階堂 彰。
あたしは本当にどこにでもいるようなフツーの女子高生。
チビだし、馬鹿だし…ホント"普通"。

だけど彰よりは勉強出来る!…はず…多分(笑)。

彰は一見、金髪で"チャラいです"ってオーラ丸出しなんだけど、実は超友達思いの優しい奴なんだ。

いつも言い合いしてばっかりで、ムカつく事もいっぱい言われるけど、亜紀と拓魅と同じ大切な友達。


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