しーくれっとらぶ
「ごめんね。
ついて来てもらって。」


亜紀の荷物を取りに行った帰り道、亜紀があたしに謝ってきた。



『どうして謝るの?
あたしは、大丈夫だよ。』


「だって…唯、家出るの怖かったでしょ…??」



亜紀はそう言ってあたしの顔を覗き込む。



『…う…ん…本当はね…。
でも、大丈夫だから。』


あたしは嘘はつけなくて正直に頷いた。



「そっか。…そうだよね。



わかってて連れ出してごめん。






実はあたし、聖夜さんに頼まれたんだ。

唯を外に出してやってくれって。



きっと1人じゃ出れないからってね。



聖夜さんはさ、迷惑とかじゃなくって、本当に唯が大切なんだよ。



今日だって夜に唯を1人で家に残すのが心配だからあたしに泊まらないかって聞いてきたんだと思うし。



だから……、頑張ろう。



ちょっとずつでいいから外に出ようよ。
あたしも一緒に頑張るからさっ♪」




亜紀はそう言ってあたしの肩を叩いた。




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