しーくれっとらぶ

不安

あたしたちは家に戻ると、

2人でテレビを見たり

くだらない話で笑ったり

一緒に夜ご飯を作ったり

お風呂に入ったり

ただのんびり過ごした。







『もう12時かぁ…。なんか全然眠くないや(笑)』

「そうだね。
かなり目冴えてるよ~。」



♪♪~



亜紀とそんな話をしている時、あたしの携帯が鳴った。



龍君からの着信だった。



『………』


あたしは携帯を握ったまま電話が切れるのを待った。


「どうして出ないの?
龍君からじゃん。」


『だって……っ』






電話に出たらあの事を話さないといけなくなるかもしれない……。


龍君にだけは知られたくないよ……。


こんな汚れたあたしなんて知られたくない……。



「唯、出なよ…。
龍君だってすごい心配してるんだよ??」

『駄目だよ……!
出れないっ………。




嫌だもん……っ


龍君には…



龍君には知られたくないからっ…』






そしてしばらくすると着信音はなくなった。







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