しーくれっとらぶ
『龍~♪』



あたしは
車に乗るなり
龍に抱き付いた。



「なんやねん(笑)。
えらい甘えたやん♪」



龍はそう言いながら
あたしの頭を撫でる。



『だって~
久しぶりじゃん。』

「せやなぁ。
唯、俺に会いたくて
たまらんかったんやろ?」



龍は口角を上げて笑った。


『そ、そんなわけ
じゃないよ…っ!!』



あたしは
見透かされている
気がして、
恥ずかしくて否定した。



「ふ~…ん。
泣いとったくせに(笑)♪」



龍はそう言って
あたしの
腰に腕をまわして
あたしを自分の方に
引き寄せた。



『だって…っ』

「会いたかったんやろ?」

『っ…━///
何か龍意地悪…っ。』



あたしは
恥ずかしくて
龍から顔を逸らした。



「唯~、こっち向きやあ。
顔、見えへんやん。」

『見なくていい…っ』



あたしはそう言って
あたしのほっぺをつつく
龍の指を払った。



「素直やないなぁ~。」



龍はあたしの顔を
無理矢理自分の方に向かせ、
意地悪く笑った。



『…っ///』

「テレとるっ(笑)」



そんな時、
慎君がミラー越しに
あたしたちを見て
笑いながら言った。



「やっとお前ら
くっついたなぁ~(笑)」

『え?やっと?』



あたしは
慎君の言葉の意味が
わからずに聞き返した。



「そうだぜ~♪
だって龍は、
唯たちが撮影見に━」



ボコッ━



慎君の話の途中で
龍君が運転席のシートを
蹴って慎君の言葉を遮った。



「慎、いらんこと言わんで、
さっさ運動せろやっ。」



慎君はそんな龍君を見て
はいはい、と笑ったけど
その話の続きはしない。

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