しーくれっとらぶ
あたしは龍について階段を登り、部屋に入った。





部屋に入るなり、龍は面倒くさそうにベッドに座った。



『…っ……』


あたしは何から話せばいいのかわからなかった。


「はよ話せや。」

龍は相変わらず冷たかった。


『龍、ごめんなさい…。』


あたしはまず謝った。

「何に対しての謝罪なん。」

龍はあたしを冷めたような目で見てくる。

『…っ……(泣)』


あたしは堪えきれずに泣いてしまった。



「…何で泣くねん…。」


『…っ…ごめん……龍……





……龍が……言ってた人たちは友達なのっ……昨日は……勉強会の帰りで……送ってくれただけなの……』



「勉強会て何なん??」

龍は冷たく聞いてきた。


『…友っ…達と、3人で……勉強し…てたの……』


あたしは泣いていて上手く話せなかった。

「へー、3人て男か??」

龍の声は相変わらず冷たい。

『…っ……』


あたしは言葉に詰まったが、嘘は付けず、黙って頷いた。


「なんやねんそれ。
お前最悪やわ。」

『だけど、友達で「友達とか知らんわ!!何でそんなこと出来んねん。信じられへん。」


『…っ…ヒックッ……



…ごめ…なさいっ………』



「で??今日は何なん??」

龍は泣くあたしを無視して尋ねてきた。

『今…日は、テス…トが終わったからっ……みんなで集まっ…ろうてなったっ……の……』


「お前男といたやん。」

『…あッ…れ…は、亜紀たちが……買い出っ……しに行ってっ……て、あたしたちは、……先にあ……たしのマンショ……ンに行ってたのっ……』


「今日は亜紀いたんや。」


龍の声はさっきより少し優しくなった。
そしてあたしは黙って頷いた。


『龍…
…本当にごめんなさい……』

< 204 / 854 >

この作品をシェア

pagetop