しーくれっとらぶ
玄関の扉を開けて外に出ると、龍の車が停まっているのが見えた。


あたしは車に駆け寄った。

中から怒ったように慌てて龍が出てきた。


「なんなんその格好っ!いくら秋やからって風邪引くで」

『あ…本当だ。言われてみればちょっと寒いかも』


お風呂上がりのあたしの格好は、下はスウェットに、上はロンT一枚という微妙な薄着だった。


「風呂上りなん?髪濡れてんで」


龍はそう言って着ていたジャケットを脱いであたしに着せて、車の助手席のドアを開けた。

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