しーくれっとらぶ
『ありがと…っ…嬉しいよぉ…っ』

「また泣く~。唯はすぐ泣くなぁ。嬉しい時は笑うもんやで?」


龍はそう言って、携帯を抱き締めて泣くあたしの涙を指でそっと拭き取った。


『龍、本当にありがとね…っ』


あたしは顔を上げて龍に御礼を言った。


『じゃぁ、あたしの携帯は解約しとこっ』


あたしは自分が使っていた携帯をポケットから取り出して、ストラップを新しい携帯に付け直した。


「なんかごめんな。勝手に携帯なんか買うて」

『ううん。すっごい嬉しい』

「そうか。ほな仕事あるからもう行かな」

『これから?』

今は夜の9時半。
龍はまだ仕事があるんだ…。
本当に忙しいんだね。


「せやで。俺人気者やからな(笑)」


龍はそう言って無邪気に笑う。
まぁ人気があるのは確かだし(笑)。


『じゃぁあたし行くね』


あたしはそう言って車から降りようと体の向きを変えた。

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