しーくれっとらぶ
「唯」


車を降りようとドアを開けた時、龍から腕を掴まれた。

どうしたのかと思って振り返った途端、あたしは龍の腕の中に包まれた。


『龍?』

「唯、愛してんで」


龍はそう言うと更に強くあたしを抱き締める。


『龍…?』

「っよし、充電完了っ」


龍はそう言うとあたしを離した。


「ごめんな引き止めて。━おやすみ」


龍はあたしに触れるだけのキスをした。


『うん、おやすみ。龍、お仕事頑張ってね』

「おん。唯も勉強ちゃんとすんねんで?」


あたしは車から降りた。


『うん。無理だけは駄目だからね?』

「わかっとる。はよ家入りぃ。風邪引くで」


『はぁ~い。じゃぁばいばい』


あたしはそう言って玄関に向かった。

龍はあたしが中に入ったのと同時に車を出した。


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