しーくれっとらぶ
みんなが飲み始めて3時間くらいがたった。

今は夜の8時半すぎ。
いくら秋だといっても辺りは暗くなっていた。

「あ、唯、そろそろあたしたち帰らない?」


亜紀が時計を見て言った。


『そうだね。暗くなってきたし、帰ろっか。―龍~、あたしたちもう帰るね』

「え、もう帰るん~?」


酔っていつもより甘えん坊になった龍はあたしに抱きつきながら口を尖らせる。


『だってもう暗くなってきたしι』

「なら俺送ってくで~」

龍はそう言って立ち上がろうとするが、足元がおぼつかない。


『あーιいいって。大丈夫だから』


あたしはそう言って、龍をソファに座らせて、亜紀とマンションを後にした。


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