しーくれっとらぶ

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…━


「唯!?」


龍はすぐに出た。
すごく慌ててるみたい。


『ごめんね、バイトで電話気付かなくてιどうしたの?…!あ…』

あたしは龍にバイトをしているのを内緒にしてることをすっかり忘れてて、普通に話してしまった。
気付いて口を押さえた時にはもう遅くて、電話の中からは龍の訝しげな声が聞こえる。


「は…?俺バイトしてるん聞いてないで」

『あ…っ…その…』

「バイトしてんのか?」


言葉に詰まるあたしに、龍は冷めた声で聞いてくる。


『あ…うん…』


あたしはもう隠しきれないと思い、素直に認めた。


「なんで言わんの?」

『……ごめんなさい…』

「謝れ言うてないやろ。俺はなんでコソコソ隠れてバイトすんのか聞いてんねん」


龍の声が大きくなって、あたしの体は強張る。