しーくれっとらぶ
「じゃぁ、仕事あるから」


龍はそう言って電話を切ろうとした。


『待ってっ!』


あたしは慌てて電話の向こうの龍を引き止める。


『理由を言えなくてごめん……。だけど、絶対話すから…っ。今はまだ言えないけど、絶対理由話す…っ。それとね、バイトはもう辞めるからっ…』


もうプレゼントも買ったし、旅費も多分今日までのバイト代であるていど足りるはずだし。


「ええよ別に辞めんでも」


龍の冷たい声に泣きそうになったけど、涙をグッとこらえた。



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