しーくれっとらぶ
そして温泉のある階に着いた。

"男" "混浴" "女"

と入り口の前ののれんみたいなものに書いてある。


「唯ちゃ~ん♪混浴あるで?一緒入る(笑)?」


それを見るなり、龍は意地悪く笑ってあたしを見た。


『なぁっ///何言ってんの…っ。1人ずつに決まってるでしょ』


あたしはそう言って龍を"男"の方に押した。


「はいはい、わかっとるって(笑)」


龍はそんなあたしの反応を見て楽しんでいる。


『もう…っ!』

「ほなな、ちゃんと風邪引かんよぉに髪乾かすんやで?」


膨れるあたしをなだめるように、龍はあたしの頭をポンポンと叩いた。


『うん。わかった』

「風呂から出たら、部屋戻っときぃよ?」

『え?ここで龍待ってるよ』

「あかん。ここおったら風邪引くやん。それに、変な男から声かけられるかもしれへんし。…━やから、風呂上がったらすぐ部屋戻り?」


龍はあたしの頭を撫でながら"な?"と納得させるように言う。


『わかったぁ。部屋にいるね』


龍が心配してくれることが嬉しくて、あたしは笑顔で答えた。



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