しーくれっとらぶ




「唯ちゃーん、龍君来たよー。」


夜の8時半過ぎ―

梨華さんが1階からあたしを呼んでいる。


『はぁーい。』


返事をして、もう一度鏡で全身をチェックしてから下に降りた。


龍がいるんだって思ったら心が踊っちゃう。


玄関に行くと、梨華さんと龍だけじゃなく、聖夜と陸までいた。


『なんで勢揃いしてるの?』

「見送り♪」


陸がそう答えた。

陸はきっと龍に会いたかったんだろうな(笑)。

陸は龍にあんまり会ったことがないからね。


『あっそ。』

「あっそって何やねん(笑)。」


素っ気なく答えるあたしを見て、龍が笑った。


「こいつ性格悪いんすよ。」


龍に向かって陸が生意気な目であたしを見ながら言った。

むーっ!
なにその言い方!
ムカつく…っ!

なんで陸はこんなに意地悪なわけ!?

これ以上陸が変なこと言う前に龍をこの玄関から連れ出さそう……!


『うるさい…っ!もうっ、龍行こ!』


あたしはそう思って龍の手を引いて玄関を出た。







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