しーくれっとらぶ
「考えとる、考えとる(笑)。」


龍運転しながらあたしを横目でチラッと見て笑う。


『わかんないよぉ……。』


本当に浮かばないんだけど……。
あたし彼女失格じゃん……。


「まぁ着けばわかるで。」


龍はそう言って曲を変えた。


♪♪~


車の中に流れ出したバラード曲。
いつも聞いているような洋楽じゃなかった。


『龍、洋楽以外も聞くんだね。』

「当たり前やろ。この人の歌めっちゃええで。」


龍はそう言うと流れてくる曲と同じ歌詞を口ずさんでいる。

龍がお仕事以外で歌を歌っている所を見るのは、何気に初めてかもしれない。

あたしは助手席でそんな龍の姿を見つめながら、龍が口ずさむ歌を聞いていた。





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