しーくれっとらぶ
「龍さん来てたんだ?」
『ううん、送ってもらっただけ。』
陸がソファに座るのを眺めながら答えた。
陸は今帰ってきたみたい。
「久々に会ったんだろ?なのになんでそんな暗いんだよ。」
陸がそう言って煙草を取り出したからあたしはギロッと睨んだ。
あたしの部屋では誰であっても煙草は禁止なんだ。
臭いが服やベッドに染み付くのが嫌だから。
そしてあたしの視線を感じた陸は煙草をポケットにしまった。
「わり。―んで?なんでテンション低いわけ?」
『…喧嘩…なのかな…。』
抱き締めたハートのクッションがいびつな形になる。
「唯たちでも喧嘩すんだなー。」
『うん……。なんかいろいろわかんなくなっちゃった…。』
あたしは今の状況を陸に話した。
最近龍をすごく遠くに感じること。
さっきの龍とのやりとり。