しーくれっとらぶ

龍の部屋に入ると、龍は温かいミルクティーの入ったマグカップを持ってきた。

マンションに来た時は絶対にミルクティーを入れてくれるんだ。


『ありがとう。―あ、あたしクッキー焼いてきたんだ。』

「ほんま?ありがとう。」


龍はあたしからクッキーを受け取ると笑ってくれた。

久しぶりに龍の笑顔を見た。
久しぶりに会ったっていうのもあるけど、本当に龍の笑顔を見たのは久しぶりだったんだ。



だけど今までみたいな、二重のくっきりしたタレ目を細めて無邪気に笑っていた龍の笑顔じゃなかった……。

どこか無理して笑っているように見えた。
















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