しーくれっとらぶ

「別れよう。」


え……?

あたしは言葉が出なかった。
龍から言われた事が理解出来なかったんだ。


「聞いとる?」

『あ……う、ん…。』


あたしはやっと声を出せた。


「そういうことやから。」

『…ちょっと待って…。…意味、わかんないよ…?冗談だよね……?』

「こんな冗談言うわけないやろ。」


龍はそう言ってあたしから目を逸らした。


『なん、で…急に…。』


あたしはポツリと呟いた。
もう何を言っていいのかわからなかった。


「急にやないで。前から思っとった。」


龍はそう言うとまた1口コーヒーを飲んだ。


『やだよ……。龍と離れるなんてやだ……っ…。』

「ごめん。もう無理や。」


龍はあたしを見ずにそう言った。

無理って何が無理なの………?
あたし何かした……?

あたしの頭の中でそんな言葉がグルグルと回る。




























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