しーくれっとらぶ

『…あたしのこと嫌いになった……?』


やっと口から出た言葉だった。


「…嫌い、にはなってないで…。」

『じゃぁどうして…っ!?』


龍の答えを聞いてあたしはすかさず尋ねた。


「…なんかもう無理やわ……。」


龍はそう言ってハァーと溜め息をついた。


『…無理、無理って……意味がわからないよ……。嫌いになってないって言ったじゃん……。』


あたしは泣きそうになるのを必死にこらえた。


「…ほな言葉変えるわ…。」

龍はソファに寄り掛かってあたしを見た。


「嫌いじゃないけどもう好きやない……。」


あたしを見る龍の目は冷たかった。


「せやから別れてや。」


龍は冷たい目であたしを見つめたまま。

もう龍の心にあたしはいないんだね。
もうどうにもならないんだって実感した。












< 690 / 854 >

この作品をシェア

pagetop